ドイツ食文化と食べ物に関するドイツ語
ヨーロッパの中でも屈指の経済大国であり、現在でもメルヘンな中世の面影が残るドイツはクリスマスマーケットやオクトーバーフェストが有名で世界各国から沢山の人が食や美しい景色を求め訪れる人気の国です。
さて、その強国ドイツでは現在どのような食文化が浸透しているのでしょうか。
ドイツと聞くと思い浮かべるのはビールやソーセージですよね。もちろんその2つも大きな食文化の柱ではありますが、それ以外にも面白い食文化がドイツにはまだまだあります。
今回は「ドイツの食文化」や「食べ物に関するドイツ語」を紹介します。
1. 都市別の食文化
まずはドイツの都市別で食文化の違いを見ていきましょう。地域によって様々な名物があり、ドイツに行く際には要チェックです。
ベルリン
ベルリンはドイツの北東に位置し、様々な文化が交わる国際都市です。
そのベルリンで有名な料理は「シュニッツェル (Schnitzel)」や「アイスバイン(Eisbein)」です。
シュニッツェルは仔牛のヒレ肉などを薄くなるまで叩きハーブなどで香りを付け揚げたカツレツで、爽やかな香りとジューシーなお肉が特徴。
アイスバインとは塩漬けにした豚のスネ肉を香草や野菜などと煮込んだもので、コラーゲンたっぷりの柔らかいお肉が特徴。
ミュンヘン
ミュンヘンはドイツの南東に位置し、文化的な遺産が多く残る大都市です。
そのミュンヘンで有名なのは何といってもオクトーバーフェストで毎年10月には沢山の人々で賑わいます。「ドイツビール」と「白ソーセージ (Weißwurst)」が名物で、白ソーセージの皮は分厚いのでナイフで皮を切ってブレッツェルと合わせると定番のドイツの朝ごはんになります。
フランクフルト
フランクフルトはドイツの中心に位置し、ヨーロッパ中の交通が集中するゲートウェイです。ここで有名なのはリンゴのお酒「アプフェルヴァイン (Apfelwein)」です。
甘酸っぱくキリっとした苦みが特徴。アルコール度数は5~7%と低めです。炭酸もきつくないものが多く、次々飲めるフルーティーな美味しいお酒です。
ハンブルク
ハンブルクはドイツの北に位置しヨーロッパ屈指の港湾都市です。
ハンブルクは「ハンバーグ(Hamburg)」の始まりの土地としても有名ですが、名物料理は「ラプスカウス (Lapskaus)」。別名は「船乗りのおじや」です。
じゃがいもとコーンビーフをマッシュしてお皿に盛り付け目玉焼きを上に乗せたら完成のシンプルな料理です。
またシーフードも豊漁なことで有名なので、新鮮な魚介料理を楽しんでください。ドイツで一番ポピュラーなのはにしんの酢漬け。塩とお酢でしめられたにしんはトロっろしていて絶品です。
2. 驚いたドイツの食文化
ドイツに渡航して驚いた食文化の紹介です。ドイツには日本と異なる食文化が沢山あります。その異文化もしっかり味わってみてください。
1. ドイツの水事情
ドイツでは飲料水は基本的に購入するものです。
水道水も飲むことはできますが、カルキが強い硬水なので硬水に慣れていない日本人にとっては体調不良を起こす要因になる場合もあります。
また、ドイツではお水と言えば炭酸水が主流です。レストランでお水を頼めばビンの炭酸水が出てくるし、スーパーでも売られているのは炭酸水が多く見受けられます。そのため、レストランで水を頼む際に「Mineralwasser bitte」と言うと炭酸水が出てきてしまうのです。炭酸無しの水を注文したい場合は「Mineralwasser ohne Kohlensaeure bitte」と言ってくださいね。
スーパーなどでお買い物する際にもOhne Kohlensaeureとペットボトルに書いている場合が多いです。ぜひ目印にしてみてください。
2. ドイツのパン事情
ドイツのパン屋さんへ行くとラインアップが豊富すぎて選びきれません。なぜならドイツは世界で1番パンの種類が多い国だからです。パン好きにはもってこいの国なのです。
シンプルな食パンをとっても種類が多く、茶色い食パンが白い食パンか、はたまたドライフルーツが入ったものかというところから選び、ビタミンが入っているものかプレーンが良いのかなどチョイスが多いのです。
また、ドイツのパンはライ麦を使われることが多く、酸っぱく固いものが主流です。日本の柔らかいパンとは真逆なので注意です。ですが、繊維質やミネラル豊富で栄養価が高いドイツのパンは健康志向の人にとってはありがたい存在で絶大なる人気を博しています。
ドイツのパンで手軽なのは「Brötchen」で名前の通り小さなパンを意味します。穀物の種などが上に乗せられているものが多く、ハムやチーズなどを挟んだりジャムで食べたりと朝食に出てくることが多いです。
3. ドイツのベジタリアンやヴィーガン事情
ドイツといえばお肉やソーセージの料理をイメージし、ヘビーな食事を思い浮かべる方が多いと思います。ですが、日本とは比べられないほどにベジタリアンやヴィーガンが多く街でもよく菜食主義者のためのレストランやカフェを見かけます。
ドイツではお肉やパンをメインに食べる文化が根付いていますが、現代では健康を意識した食事を好む人たちが急増しているのです。
また、ドイツではBIOの文化が浸透しておりオーガニック食材にこだわったレストランも沢山存在します。BIOスーパーも街のいたるところにあり、手軽にオーガニックの食材を手に入れることができるのも嬉しい点です。オーガニックの商品にはBIO認証マークが付いており分かりやすく、また商品も多様なのでショッピングしているだけで楽しめます。
4. 多文化で異国料理が楽しめる
様々な文化が混ざり合うドイツでは食文化も多様になってきています。
街を歩いているとよく見かけるのはアジア料理レストラン。日本食をはじめ韓国料理やベトナム料理、タイ料理などドイツに来たことを忘れるほどに多国籍なのです。ドイツ滞在中にドイツ料理に飽きてしまってもこのように多国籍料理に挑戦すると面白いですよ。
また、本格的な中東料理も身近で日本にいると食べることがないような外国料理に挑戦することが出来ます。トルコ系のケバブであるドナーは街のいたるところに点在し、テイクアウトして公園など好きな場所で楽しむ人が多いです。
そんなドイツでは「インビス (Inbis)」と呼ばれるソーセージやポテトをパンと共に提供する軽食スタンドでB級グルメも楽しめます。特に「カリーヴルスト (Currywrust)」は有名でカレー粉がかかったポテトフライにケチャップたっぷりのソーセージが添えられていて、仕事や学校帰りにスタンドに立ち寄り食べている人をよく見かけます。
3.ドイツ流・食の楽しみ方
ドイツでは日本のように何種類もおかずを作って家族みんなで毎日食事をすることは少なく、平日は簡単な食事で済ませ、休日のみ家族で料理し皆で食事を楽しむ文化が根付いています。また友達と会う時なども外食することもありますが、軽食スタンドでテイクアウトしたり作ったサンドイッチなどを持ち寄り外で食べることを楽しむ人が多くいます。ドイツ流の食事はシンプルではありますが、日本とは違った楽しみ方ができるのが特徴です。
4. 食に関するドイツ語の紹介
最後にこちらの記事で出てきたドイツ語を解説します。ドイツへ行く際にぜひ活用してみてくださいね。
1、 Brötchen のbrotは英語でflourでchenはsmallを意味します。chenの発音はドイツ語独特であり頻出なので用法を覚えておきましょう。
2、 Mineralwasser bitteのmineralは英語でもmineralです。このように英語と同じ単語も沢山存在します。Bitteは最重要単語でPleaseを意味します。礼儀正しく日本人と性格が似ていると言われるドイツ人はbitteをよく使います。
3、 Ohne Kohlensaeureのohneはwithoutを意味し、逆にmitはwithを意味します。
4、 Apfelweinのapfelは英語でapple、weinはwineを意味します。発音やスペルが似ていると単語が分からなくても想像がしやすいですね。
5、Weißwurstのweißは英語でwhite、wurstはsausageを意味します。ドイツに住むにあたってwurstの単語はぜひ覚えておきたいですね。
さて、ドイツの食文化の紹介はいかがだったでしょうか。
国際的なドイツでは食に対する考えや多様性が認められ様々な食文化が浸透してきています。ドイツへ行った際には現地の伝統的な食事からモダンな食事まで様々なものにトライしてみてくださいね!